相模原みのり塾 活動ブログ

相模原みのり塾の授業の様子や活動を紹介しています

11/26の授業報告+代表のつぶやき

11/26の授業報告をさせていただきます。

秋晴れの大変良いお天気でしたね。日曜日の午後に勉強しているなんてもったいない?という環境でも、うちの生徒さんたちは毎週勉強しに来ます。それだけでも、なんて偉い!と思ってしまいますね。みんな偉いんだよー!自信持っていいよ。

さて、この日も返却されたテストの直しをやっている生徒さんが多かったですね。みんなの頑張っている姿の写真を撮り忘れました。。。ごめんなさい。今回は写真がありません。

この日は、新しいボランティア講師の方と入塾希望の中1生と、それぞれ面談させてもらいました。毎月少しずつですが、ボランティア講師も生徒も増えていってます。

また、今日12/2は公民館の大掃除だったのですが、うちから2名のボランティア講師の方が参加してくださいました。ありがとうございます!いつも大変お世話になっている橋本公民館にほんの少しですが恩返しできたかな。

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さてさて、今回は写真もないので、たまには(?)代表が日頃考えていることを書いてみようかなと思います。

ちょうど先日タウンニュースさまからメールでの取材を受けました。来年度からスタートする相模原市の高校生対象給付型奨学金制度についてです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171027-00021412-kana-l14

いくつか質問があり、そこで回答した内容が、日頃から自分が考えていることを書けたな、と思ったのでこちらにも掲載させていただきます。ちょっと長いです。

(*ちなみにタウンニュースに掲載されたのは、青文字の部分だけ)

===ここから===

(質問1)給付型奨学金の創設についてどうお考えになりますか。

最初に聞いたとき、良いニュースだと思いました。
実際に何かの調査結果から、潜在ニーズがあり、おおよそどれくらいの生徒がこの制度によって経済的負担が少なくなるのか、などの具体的数値があってこういう提案が出されたのかと思うのですが、そのあたりがわかるともっと良いと思います。まずは始めてみて、対象生徒(さまざまな条件付きなので)のニーズに合っているのか、対象条件をもっと増やす必要があるのか少なくてもいいのか、給付のスタイルはどうするのか(現金なのかクーポンなのかなど)、改良の余地はまだまだあると思います。ぜひ、対象となった生徒さんの生の声を拾って、今後に活かしていってほしいと思います。

(質問2)経済的な理由で学習環境が整っていない子どもに対して学習支援を行う意義とはなんでしょうか。

「経済的な理由で学習環境が整っていない」というのは、子どもには何の責任もありません。学習したい子どもが、学習環境が整っていなくて困っているのなら整えれば良いだけ、それが今全国で広まっている無料学習支援です。お金なくても勉強できるよ!一緒にやろっか!というスタイルです。そこで勉強して学力をつけることで、自分の世界・可能性を広げてほしいし、将来の日本を作っていってほしいです。経済的な理由で将来のさまざまな道が狭まっている子どもたちの「道」を広げることが、今やっている活動です。慈善事業のつもりはありません。未来への投資だと思っています。

先日のNHK・クローズアップ現代+でも放送されましたが、今の日本では義務教育の範囲の学力がないと生活していけません。また、ほとんどの職業では高校卒以上が働く条件とされていますが、高校は誰でも通えるようにはなっていません。義務教育の範囲の学力がついていない、高校に行っていないことの原因として大きな部分を占めるのが、子ども自身ではなくその家庭の経済的な理由、環境によるものです。近所に住んでいる大人として、高校・大学まで卒業している大人として、隣の子どもが義務教育の勉強で困っているのに、ほったらかしで無視して良いものなの?やらないより、やった方が少しでも良いならやってみようか!そんな気持ちからボランティアの方たちが集まり、学習支援をしています。

(質問3)経済的理由により進学を断念する子どもは実際にいますか。いるとすれば、例えばどのような状況であったのでしょうか。

みんな最初から断念はしていません。チャレンジはします。ただ、チャレンジする範囲が狭くなります。
例として良くあるのが、高校入試のとき、一般的な生徒は公立高校と私立高校を「併願」します。公立高校は定員があり入試で希望者全員が合格できるわけではないので、もし万が一不合格だった場合の進学先として私立高校を受けておきます。しかし、経済的に厳しい家庭の生徒は私立高校を受けません。受けておいてもし通うことになっても学費が払えないからです。学費とは授業料だけでなく学校への納入諸経費・指定物品購入費、通学交通費など全てを含みます。そこで、彼らは公立高校入試のみ(チャンスは1回)でチャレンジしますが、その場合不合格になると通う学校がなくなるため、不合格にならないように希望でない学校を選択せざるをえなかったり、もし希望の高校にチャレンジして不合格だった場合は、そのあとに入試がある定時制通信制の公立高校を目指すことになります。自分がなりたい職業が、大学に行ってその資格を得られる場合はもちろん大学も目指したいですね。大学は奨学金を借りて通うという選択肢があるので、そのためには大学を目指せる環境がある高校に行きたいと考えます。しかし、ここで定時制通信制高校しか選択肢がないとなると、相当の努力をしないと大学進学を果たせません。

高校入試のときに、経済的な理由なく希望の高校を目指せることは、その生徒の将来の道を大きく広げることができることなのです。
そういう意味でも、高校生向けの給付型奨学金があることで少しでも中学生にとって心強い存在になるのであれば、意味のある制度だと思います。

(質問4)貧困の連鎖を防ぐためには、家庭への直接的な経済支援以外にどんなことが重要と考えますか。

いろんな社会の仕組みや人間を見て、感じて、考えることが重要だと考えます。
いわゆる「社会勉強」です。毎日にくらしに必要なもの、お金のこと、経済のこと、いろんな人が携わっているさまざまな仕事のこと。小学生のうちから、子どもたちが社会のことについて自分で見て聞いて感じるチャンス・機会が必要だと思います。そこから、自分はこうなりたい、こんな仕事をやってみたい、こんなものに興味が出てきた、などの好奇心が生まれてきますし、保護者や学校の先生以外の大人と接する機会ができることで、困ったときのネットワークを自然に形成できます。

地域でいろんな催しやイベントをやっていますが、経済的に厳しい家庭の子どもたちは、それらに参加する方法がないのです。子どもは基本保護者が連れていなかくてはならないし、保護者なしのイベントに参加するにしても申込は保護者がしなくてはいけない。お金のかかるイベントもあり、いろいろと手間なので参加しない、ということになります。
例えば毎週土曜日は、何かのイベントや催しに参加して過ごす、というような文化、しくみ、義務教育の一環でも良いと思いますが、そういうふうになっていくと良いのにと思っています。

===ここまで===